チラシ・広報デザインのコツ
ちらし広報誌のデザインのポイントをご紹介します。■チラシデザインのポイント
■広報誌デザインのポイント
広告プロダクション有限会社哲学堂 代表 渡辺敬治さん
人の目に留まるちらしデザイン
●広告とは「私はここにいますよー」と誰かに手をふること。
手をふる相手とは、宣伝をしたいターゲットのこと。このターゲットが決まると、
使用する広報媒体が決まる。
●広告媒体が持つそれぞれの特徴について
広告媒体が決まると相手に情報が届くまでの様々な行程が考えられる。その行程によっても
デザインが変わってくる。
例えば、ちらしの場合、相手に届くまでの行程は、[手渡し]、[ポスティング]、[並べ置き]
などが考えられる。[手渡し]の場合は、目立つデザインよりも見やすさが優先され、
[ポスティング]は、持ったときの手触り、[並べ置き]では、視覚的デザインによる
差別化など、手に取って見てもらうための工夫に違いが出てくる。
ちらし目立たせる要素、アイキャッチとキャッチコピー
アイキャッチとは、写真やイラストなどのビジュアル的要素が強く相手の注意を向けさせる
ことができる効果のことで、キャッチコピーは、読み手の目と心を一目でつかむメッセージ
を持った短い宣伝文のこと。
デザインの構成は、キャッチコピー、リードコピー(注1)、ボディコピー(注2)の3つの要素を
分散させず、流れを持たせ、見やすくすることが基本で、気持ちのよい3つの要素の流れ・ラ
インを決めたうえで、目立たせたい部分を流れからはみ出させることも効果的な方法である。
余白は、デザインのバランスを考え、内容を詰め込みすぎずに上手な引き算すること、
[赤色は温かい印象を与える]などの色が人に与えるイメージや、色によって奥行を生み出すこ
とができる。
<語句解説>
注1「リードコピー」・・・キャッチコピーの次に書く文章のことで、興味を持ってそのまま先を
読み進めてもらうための文章のこと
注2「ボディコピー」<・・・広告文の主文章で詳しく伝えたい本文のこと
★文字が人に与える印象
ゴシック…硬い印象
明朝…認識しやすい、日本語を読みやすく表現
丸ゴシック…やわらかい、やさしい、楽しい
行書…歴史的、古さ
★色の選び方
服にもTPOがあるように、ターゲットによって使用する色を使い分けます。
例)「お母さん」をターゲットにした企画の場合は「お母さん」
お母さん→赤ちゃんを連想する色としてパステル系の配色にする。
・赤色などの暖色系…暖かみ、いきおい
・青色などの寒色系…寒さ、爽やかさ
★余白の効果
・見た目のバランスや、デザインを考え視線のライン作りに余白を活用
・目立たせたい部分を視線の流れからはずすと効果的
・内容を詰め込みすぎてしまうと見づらいデザインとなることもあります。
広告プロダクション有限会社哲学堂 代表 渡辺敬治さん
広報誌作成の基礎
広報誌は、お知らせや活動報告、仲間集めを呼び掛ける一つの道具。
広報誌は読者がある程度想定されることから、ちらしやポスターと違い、目立つ必要はない。
そこで、必要となる要素が【優しさ】と【楽しさ】で、[見やすさ]、[分かりやすさ]、
[臨場感]、[参加したくなる楽しさ]が重要である。
広報誌の【優しさ】とは、読みやすく分かりやすい記事やレイアウトなどを考える読者への
配慮のこと、[見やすさ]と[分かりやすさ]に様々なポイントがある。
たとえば、写真や図形、グラフ、イラストなど視覚的に伝える工夫や、詳しく内容を相手に
伝えることが大切になる。
広報誌を作成している本人が思っている以上に、文章で読み手に伝えることは難しいため、
より詳しくわかりやすく伝えることがポイントになる。
[臨場感]や[参加したくなる楽しさ]は、見出しや、写真で演出することができる。
見出しのポイントは、文字の大きさ、囲み文字、余白位置を考えた使い方が大事で、
他の文字より強調することで読み手に記事の内容を1発で伝えることができる。
見出しで内容を伝えるためには、具体性を持たせることが必要になる。
例)タイトル:「復興支援プロジェクト」
→復興のためのプロジェクトとは分かるが何をするのか分からない
「炊き出しに行こう!復興支援プロジェクト」
→復興の為に炊き出しをするプロジェクトと内容が分かる
★見出しデザインのポイント
・見出しにゴシックなどの太い文字を使用し、本文は明朝体や
教科書対などの読みやすい字を使用します。
・体言止めを使用するとイメージがわきやすくなります。
例)「空が青い」→「青い空」
★写真の使い方
・写っている人の表情が楽しいか、深刻なのか視覚的に内容を伝える
・写真の枠の形と中に映っているもので構図を決め、手に伝わる
イメージを考えることが重要です。
例)飲み物が入ったグラスを映した写真
→を斜めに配置するとこぼれそうに見えます。
・メインとなる人や動物、物が向いている方向に余白を設けることで
空間にゆとりを設け広く感じさせます。
また、読み手に写真のイメージを伝える効果があります。
例)笑っている女性の笑顔を向けている方向を映す
→女性が何を見て笑っているのか伝える
・被写体の近くに白い紙を置くことで明るい写真が取れる
・写真の加工するときは印刷時を想定して加工すること
→モノクロ印刷…くっきりとした写真に加工
★記事に臨場感を持たせる
・記事の内容によっても文字の種類を変える
楽しい内容…丸ゴシック
日本の伝統を伝える…明朝体
★読みやすい記事のポイント
・余白を空ける
・行間は、一行の半分から一行分の高さ
・文章は一行20〜30字
★文字で演出するレイアウト
・丸ゴシック…全体のレイアウトが安定する
・明朝体…日本人にとって認識しやすい記号で読みやすい